昨年から香港の民主化デモの動向が気になって気になって、というのも香港には、当事務所がお世話になった顧客や取引先があるためです。
金融や貿易や飲食店、現地のエージェントさんなど、私が知る方々はわずかですが、日本人以外の外国人や企業も多く暮らす香港。
香港の方々の生活やビジネスもどうなってしまうのか、情報を追わずにはいられませんでした。
日本ではあまり報道されませんでしたが、この6月16日にハワイでポンペオ国務省長官と中国の代表との会談があったものの、詳細は発表されなかったようです。
香港自治法
そして、つい先日6月25日に、香港の憲法と1984年の英国との共同宣言を遵守しない外国の個人(つまりは中国共産党の幹部ですね)に制裁を課すことができる法案が、米国議会上院を通過しました。
香港自治法(Hong Kong Autonomy Act)と言います。
法案はこの後下院でも可決されるとみられ、トランプ大統領の署名をもって成立します。
金融機関も対象
制裁は、外国の個人のみならず、この個人と取引のある外国の金融機関も対象になっています。
基軸通貨であるドルを握る米国から制裁されてはたまりませんから、金融機関は、対象の取引を止めざるを得ないでしょう。
法案では、この金融機関を特定するための権限を、国務省から財務省へ移転することにも言及され、もう単なる脅しではなく理屈で追いつめる道筋ができています。
ただ制裁できるとは言っても、遠く離れた米国でビザや財産などが対象になるだけですから、直接人の身体や健康に及ぶことまではできません。
国家権力による連行や拘束などは、すぐそばにいる中国政府の方が簡単にできてしまいますよね。
香港に滞在する日本も含めた外国人や企業にまで、影響が及ばないか心配です。
今後の行方
中国政府が、実質的に香港を統治することが可能となる「香港国家安全維持法」は、7月1日の返還記念日の前に成立する予定だそうです。
週明けからの米中の動きに、ますます目が離せません。
とばっちりと言うほかありませんが、日本で暮らす中国籍の方が、米国の観光ビザをとるのも困難になる可能性があります。
2019年10月の香港民主化に関する記事はこちら
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