当事務所では、2014年からアメリカビザ申請サポートをご提供しています。
当初は日本に住む外国籍の方が、アメリカへ観光旅行へ行く際のビザ申請が中心でした。
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最近では日本国籍の方の短期商用や、何らかの理由でESTAが使えない方のB1/B2ビザのご相談も、多くなってきました。
中でも過去に犯罪歴のある方は、ESTAの申請をしても却下になることから、ビザ申請をせざるを得ないようです。
過去の犯罪歴
いわゆる犯罪歴と言っても凶悪犯罪ではなく、飲酒運転や名誉毀損など軽微なものから、脱税や薬物、米国でのオーバーステイなど様々です。
例えば故意ではない交通事故でも、逮捕されて有罪になれば犯歴がついてしまいます。
また民事で解決できる可能性のある問題も、相手方が刑事事件として訴えて敗訴すると、執行猶予がついたとしても有罪です。
きちんと行政罰や刑事罰は済ませ、何年も経た上で、米国にちょっとご旅行したいという方がほとんどで、ビザがとれるかどうか悩んでいらっしゃるようです。
日本社会では問題なくなっても、外国のイミグレーションには、外国人の入国を独自に拒否する権利がありますので、ESTA却下という結果になってしまうのですね。
CIMTとは?
アメリカの移民法に出てくる言葉で、CIMT(またはCMT)というものがあります。
これは、Crimes Involving Moral Turpitude (またはCrimes of Moral Turpitude) の略で、日本語だと「道徳的な悪意を伴う犯罪」となります。
道徳的な悪意(=道徳観に欠ける)ではよくわからないと思いますので、例示します。
下記は、アメリカの裁判所でCIMT とされた罪名の一部です。
- 殺人
- 放火
- 脅迫メール
- レイプ
- 売春
- DV
- 児童虐待
- 近親相姦
- 誘拐
- 強盗
- 度を過ぎた暴行
- 詐欺
- 贈収賄
- 故意の脱税
また、Wikipediaによると下記の罪名はCIMTには入らないようです。
- 酒気帯び運転
- 単純暴行
- 名誉毀損
- 刑務所からの脱出、etc
どうやら過失や感情の高ぶりでついやってしまったことでは道徳観が欠如しているとはならず、意図的計画的だったり人として問題ありそうな罪が、CIMTに該当するみたいですね。
CIMTがあるとどうなるのでしょうか?
アメリカ政府は、CIMTと認められた外国人を追放することができます。
ただ犯した罪が本当にCIMTに該当するかどうかは、各州の裁判所で判断されるようです。
アメリカ国内にいる人は、何らかの理由でCIMT?という状況になっても、裁判で覆る可能性がありますね。
問題はアメリカ国外の犯罪をどう判断するかですが、これもWikipediaによると「米国外での犯罪も米国法の定義をもって判断すべき」だそう。。。
CIMTに該当するかもしれない犯罪歴がある方は、残念ながらアメリカ旅行は難しいかもしれませんので、アメリカの移民弁護士さんにご相談することをお勧めします。
本記事の無断複製、転載、転用、配布は、固くお断りいたします。
2019年11月追記
自力で申請したい!という方のために、申請マニュアル(外国人向けですが、日本人の方にもご参考いただけると思います)を販売しています。
オンライン申請はできたけど、サポートドキュメントの種類や作り方がわからない、という方にお勧めします。
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