沖縄とタイで、つけ麺の「大勝軒」を展開する飯田敦志さん。
前回は、一流企業のサラリーマンからラーメン屋さんに転向、海外進出を果たすまでをお伺いしました。
今後の展望
昨年、タイで2軒めとなる大勝軒チェンマイ店がオープン、子供の頃からの「好きを仕事にする」が実現して、今後の展望を聞いてみました。
「カッコよく言うんであれば、新店舗展開よりも、既存店のクオリティアップに重点を置きたい」
のだそうです。
実際飯田さんは、沖縄店オープンの後も東京に来るたびに新しいラーメン屋さんを食べ歩き、味の流行を確認しています。
「好きだからできる」とは言いますが、向上心が続くところがすごいです。
先日、ミャンマー(ヤンゴン周辺)を旅行してきましたが、日本の飲食店の市場としてはまだ早いと感じたそうです。
タイの大勝軒では顧客の7割がタイ人だが、ミャンマーでは、地元の人が日本式のラーメンを日常的に食べる感じには、まだなっていないとか。
また、日本式のラーメンチェーンがあったので食べてみたところ、バンコクに出ている同チェーンのお店と味が違ったことから、ミャンマーでは材料の調達に問題があって、出せる味に限界があるとみているそうです。
実は飯田さん、ミャンマー進出も視野にあったのかな?
ミャンマーを考えている人には、こういう分析は、飲食店でなくても参考になりますね。
これから海外進出をしたい人にアドバイス
最後に、これから海外進出をしたい人にアドバイスがあれば、との問いには、
自分は本当に運が良かっただけ、と繰り返します。
とはいえ、
手帳にタイでラーメン屋をやりたいと書いていたら、実現した。
本当に好きなら調べるし、行動する。
若い人が、いつかはニューヨークでラーメン屋をやりたいと言うのを聞くが、ニューヨークに行ったことがなくてはできない。
希望を持つのは自由だけど、口だけでは実現できない。
とのこと。
おぉ、日本人の決断の遅さを揶揄する「NATO」そのものズバリです。
No Action Talk Only、NATOではダメだってことですね。
私見でもう少しまとめさせてもらいます。
成功へ導く行動
① 準備、計画
サラリーマン時代の金銭的、知識的な貯蓄があるから思い切った行動がとれて、時間もかけられます。
そして目標は、好きなことを設定。
② 調査、分析、決断は迅速に
調査、分析も緻密にやり過ぎると、調査分析自体が目的になってしまいますから、必要なところを押さえれば自己流でもOK。
思い立ったら出かけていって必ず自分の目で見て決断しておけば、軌道修正が早くできます。
③ 慎重さ
結果を出すことに焦らないところも特徴。
サラリーマン退職からバンコク出店まで、足かけ10年くらいかかっています。
そして習慣としては、
- 読むこと
- 好奇心を持つこと
- 好きなことにこだわる
などでしょうか。
ここで飯田さんの、子供時代のエピソードをもう一つ。
飯田さんの旅行好きは筋金入りで、小学生の頃から自分で計画を立てては、一人でバスや電車を乗り継いで出かけていたそうです。
好奇心旺盛な、自立した子供だったのですね。
成功には人柄も影響します。
いつもにこやかな人には、何か一緒にやろうという声もかけやすいし、良い情報を教えたくなりますよね。
飯田さんは、お店のタイ人従業員に
「この職場を利用して、1日1語ずつでも日本語を覚えれば、チャンスが広がる。日系企業の現地マネージャーになれる」
と励ましているそうです。
下からも上からも慕われる人柄に、理系にとどまらないマルチな才能。
タイや沖縄にお出かけの際は、飯田さんの「大勝軒」をぜひご訪問下さい!
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