日本通運の現地法人、マレーシア日通株式会社が、マレーシアのハラル認証機関JAKIMより、12月16日を発効日としてハラル認証を取得したそうです。
ハラル認証という言葉は最近よく耳にするようになりました。
一般的には、イスラム圏から日本に来る旅行者向けサービスの印象が強いですが、実際はどのようなものなのでしょうか?
ハラルとは
まず、ハラルとは?
イスラム法(シャリーア)で定める「合法的なもの」「許されたもの」を指します。
従ってハラル認証とは「合法的、許されている」ことを認証するものとなります。
マレーシアはイスラム教国ですが、国の発展とともにイスラム圏以外からの人や物資が、特にクアラルンプールなどの都市部に入るようになり、イスラム教徒が購入する食品や化粧品、医薬品などに、ハラルとノンハラル(ハラルでないもの)の区別をする必要が出てきました。
マレーシア政府がハラル認証機関(JAKIM)を創設したのが1968年、世界に先駆けてハラル認証に取り組みました。
つまりハラル認証に関しては、マレーシアJAKIMが本家。JAKIMの認証はイスラム教他国においても認知度が高いです。
JAKIMはISOのような認証制度を設け、今回マレーシア日通が取得したのは運送部門の「MS2400-1」だそうです。
イスラム法におけるハラルの重要性
運送の業務とハラル認証とは、あまり関連性が無く思われるかもしれません。
が、イスラム法ではハラルとノンハラル(ハラルでないもの)との区別が厳しく、保管や運搬にもノンハラルとの混同は許されません。
さらに運搬者もムスリム(イスラム教徒)でなくてはならず、運搬車もひとたびノンハラルのものを運んだら、イスラム式に洗浄しなくてはなりません。
いくら製造ラインや原材料にハラルを守ったとしても、商品の運搬がハラルでないと本来の意味が無いのです。
イスラム教国の国内では、働く人の多くがムスリムですし、環境としてハラルが当たり前ですから、ハラルにかなった物流の実現は簡単です。
マレーシア日通は、運送に続いて倉庫部門でも JAKIMの認証をとり、そのノウハウや経験を蓄積、日本国内、海外におけるハラル製品のサプライチェーンを幅広くサポートすることを目指すそうです。
世界のイスラム人口は16億人超、全世界の4分の1と言います。
経済成長著しい国も多いことから、有望なマーケットとなるでしょう。
今後、マレーシア日通の取り組みに続き、ハラル認証を取得するのはどの業態のどの企業なのか、楽しみですね!
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