行政書士の横山です。
先日、ブログ【スポーツインストラクターのビザ】申請要件を読んでくださった方から、お問合せフォームよりご質問をいただきました。
返信したのですが、メールが戻ってきてしまうため、その方が読んでくださることを期待して、こちらで内容をシェアさせていただきます。
スキーインストラクターとして働くための実務経験
ご相談は、ワーキングホリデーで日本に来て、スキーインストラクターとして勤務した友人が、ワーキングホリデーの期間経過後は「技能」ビザをとらなくては働けないが、実務経験が36ヶ月必要という要件を満たせない、というものでした。
日本でも南半球でも、スキーシーズンは年に3~4ヶ月、前後の準備期間を入れても、インストラクターとして勤務した期間は、年間で最長6ヶ月しか計上できません。
そうすると、36ヶ月の実務経験を満たすには、6年の経験が必要になり、若い人は申請できませんでした。
北半球と南半球を渡り歩き、カナダで半年、次はニュージーランドで半年、というような働き方をしないと、20代で36ヶ月の要件を満たせる方は、なかなかいらっしゃらなかったのです。
外国人人材の活用
しかし、昨今の外国人観光客増加に伴い、日本政府も観光に注力する方向にシフトしてきました。
2015年に閣議決定した「日本再興戦略改訂2015」の中には、観光産業の基幹産業化が盛り込まれ、外国人人材を積極的に活用するために、在留資格要件の緩和を進めることが記載されています。
そこでは、増加する外国人スキー客に対応するため、外国人のスキーインストラクターのビザ要件の緩和を、2015年中にまとめることが決定されました。
私もここまでは知っていましたが、昨年12月に東京入国管理局で聞いたところ、現場では法改正など何も聞いていないとの回答だったので、「年内にまとめるはずだったのに、要件緩和は延期されたのだろうか?」と思いました。
4月になって、今回のご質問をきっかけに改めて調べたところ、要件緩和の告示が6月に出ることが、入国管理局より発表されていました(平成28年3月)。
新しい資格要件の詳細は、6月にならないとまだわかりませんが、
「36ヶ月の実務経験に準ずる経験のある者」
にも、ビザが許可されることになるようです。
朗報ですね!
ワーキングホリデー期間経過後の働き方
この方からは、ワーキングホリデーの期間経過後も、外国人が、能力を生かして日本で勤務するにはどうしたらよいのか、という主旨のご質問もいただいておりました。
インターンシップは「特定活動3」というビザになり、ざっくり言うと、外国人の方が在籍する本国の大学と、受け入れ側の日本の企業間で話がまとまれば、良いようです(もちろん細かい条件はあります)。
また、「人文国際ビザ」で英会話講師をやりながら、「技能ビザ」のスキーインストラクターとして働くのは、許可されたビザの範囲を超えることになるので、不法就労になってしまいます。
ビザのカテゴリーが違うことを知りながら外国人を雇用したり、雇用に協力したりすると、雇用者や協力者は「不法就労幇助」の罪になってしまいますので、ご注意ください。
スキーインストラクタービザ要件が追加され緩和されました
スキーインストラクターのビザの要件緩和が、2016年7月末の官報で発表されていました。こちらの記事で解説しておりますので、ぜひ参考にされてください。
コメントする