行政書士の横山です。
前回に続き、2016年に申請したITINの事例について、ご紹介いたします。
前回の記事はこちら↓
配当金とは?
単純に「配当金」とは何を指すかというと、日本でもいろいろあります。
上場している会社の株式をお持ちの方は、企業の業績にもよりますが、年に1回以上は配当金をもらえます。
この場合、配当金収入は株主の立場でもらっています。
株式以外でも、何らかの法人に投資をし、事業の成果として売上の一部を配当としてもらうこともあります。
そしてこの投資は、自分が経営者として行う投資と、投資家として行う投資とで、立場が異なります。
パートナーシップの収入
経営者でも投資家でも、パートナーシップであることには変わり無いのですが、ITINの申請では、この立場により申請区分が異なるため、お客様に確認が必要です。
2016年に申請した方は、英国籍で日本の居住者、アメリカでもビジネスをしていて、収入がおありでした。
IRSから、源泉分を返却するのでITINをとりなさいと言われたものの、どうしたら良いかわからず、お困りのところでご相談くださいました。
ご本人は社長さんですから、アメリカの会計事務所や日本の秘書様とやりとりをして、申請までこぎつけました。
外国人のパスポート認証
第一の問題は、日本のアメリカ大使館で英国人のパスポート認証をしてくれるのか?というところでした。
アメリカのpub○○(日本の通知にあたる)やinstruction○○などを読み込んで、居住地での認証でよいらしいとの結論に達し、大使館で認証してもらいましたが、全く問題ありませんでした。
収入のもらい方
第二の問題は、この方の収入のもらい方でした。
パートナーといっても、先述したように初めに投資をして後は配当をもらうのみ、という立場の方もいらっしゃいます。
この方は経営に関わっているとおっしゃっていたので、経営者としての収入としましたが、実はその前に、別のお客様での失敗があったおかげで、この判断ができました。
別のお客様もアメリカの法人のパートナーというお立場だったのですが、投資家として配当をもらうのみで、経営には全くタッチしていませんでした。
添付書類が全く異なるため、この違いをご本人が認識されていない場合は、法人か、担当の会計事務所に直接の確認が必要になります。
約2ヶ月後、英国人の社長様にITINがアサインされたときは、ほっといたしました。
30%も留保されていた源泉税の分を、無事に取り戻していただけたかと思います。
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