アメリカで収入が発生してタックスリターンをするには、納税者番号(TIN、Tax Identification Number)が必要です。

納税者番号は、日本のマイナンバーと通ずるものとお考えいただくとわかりやすいと思います。

マイナンバーには個人用と事業者用がありますが、アメリカの納税者番号も同様です。

TINにはITINとEINがある

アメリカに居住する個人がタックスリターンをするには、通常社会保障番号(SSN、Social Security Number)をTINとして使用します。

何らかの理由でSSNがとれない方(国外在住の外国人など)は、個人用納税者番号(ITIN、Individual Tax Identification Number)をTINとして使用します。

このITINは、アメリカの国税局に該当するIRS(Internal Revenue Service)に申請して取得します。

一方、事業者用の納税者番号は、日本の法人用マイナンバーよりも広めの守備範囲です。

正しくは雇用者用納税者番号(EIN、Employer Identification Number)と言って、誰かを雇用している事業体を対象としているのです。

つまり法人に限らず個人事業も対象になり、実際は雇用者ゼロの事業でも、ITIN(個人用)では無くEIN(雇用者用)の番号を利用します。

このEINもIRSに申請して取得しますが、ITINに比べるとずっと簡易な手続で取得することができます。

ITINとEINの取得方法の違い

ITINとEINの取得方法は、申請と届出の違いに例えるとわかりやすいかもしれません。

「申請」には審査が行われ、不許可や却下になる可能性があるものの、「届出」は事実を届け出るだけなので、受理されればOKです。

ITINは、申請書と身分証明証、添付資料などを提出、審査に2ヶ月を要する申請なのに対し、EINの方は、申請書1枚を送るだけで良いのです。

EINで済む場合もある

当事務所は、ITINを取得したいというご相談を承っています。

ただ上記のとおりITINの申請は結構大変で、申請理由に裏付けがないと却下されてしまうため、アメリカ側と認識に違いがあると、手間と時間が無駄になってしまうこともあります。

過去には、「アメリカのクレジットカードを作るために、ITINを取得する」というご要望もありました。

またアメリカに提出する書類に納税者番号(TIN)を書く欄があって、「副業での収入だから自分にはITINが必要」とおっしゃる方もいらっしゃるのですが、提出先によってはEINの取得で済むこともあります。

過去の記事もご参照ください。

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