先日、中東国籍のご主人様を持つ日本人の奥様が、相談にみえました。
ご主人は過去にアメリカビザを2回却下されていて、今回は別の国へ行くご予定でしたが、アメリカビザの経験があるのでビザの件がご心配だったようです。
不許可理由は不明
状況を伺ってみると、ご結婚期間も長く日本の永住権も取得済み、年齢も40代以上だし、お仕事は自営業で順調とのこと。
奥様がお仕事の関係でビザ申請の知識があり、1回目は自力で申請されましたが、そのときの書類を見せていただいたところ、ご準備は十分でした。
2回目の申請では旅行会社のサポートを受けましたが、奥様が1回目にご準備されたのとほぼ同様の書類を揃えた結果、またもや却下だったそうです。
あらためて当事務所の実績をふまえたポイントをアドバイスさせてもらい、その後の雑談の中で、アメリカビザは何で不許可になったのでしょうね?というお話になりました。
入国管理行政の柔軟性
どこの国でも自国に外国人を入国させるかどうかは、各国の事情を踏まえ柔軟に対応します。
噛み砕いて言うと、国と国との関係によりビザ発給の要件がしょっちゅう変わったとしてもその国の自由ですから、特に外国人の短期滞在(観光ビザ)の場合、文句は言えません。
不満があるなら来てくれなくても結構です、という姿勢なのです。
アメリカビザの場合は、領事面接による判断が最終的&絶対的であり、領事には広大な裁量権があります。
日本だって、インバウンドと言いながら欧米以外の国からの外国人観光客に対しては、ほぼ同様の対応をしているはずです。
TEL(Terrorist Exclusion List)の存在
話は戻りますが、奥様とのお話の中で思い当たったのが、「テロリストのリスト」でした。
「主人の名前がテロリストと同じ可能性もありますよね〜」と笑っておられましたが、後から調べてみたところ、アメリカ国務省のサイトに本当にリストがあって、内容は公表されていました。
https://www.state.gov/terrorist-exclusion-list/
リストには「テロ組織」の名称が並んでおり(日本赤軍の名前もあり)、指定された個人の情報も、検索すれば出てきます。
このリストは、テロリストの入国を防ぐために入国審査で使用する目的で作成されているそうです。
問題なのは、氏名だけでなくAKAと表現されるAs Known As(=◯◯で知られる、偽名や俗名)も加えると、かなり広い範囲に該当する可能性があることです。
下記の画像は、2017年にテロリスト指定された人の情報を無分別に選んだものですが、AKAだけでなくNationality(国籍)も複数であることがわかります。
中東国籍の方がアメリカビザ申請をされる際は、ご面倒でも同姓同名のテロリストがいないかどうか、事前チェックをなさる方が良いと思った次第です。
2019年11月追記
自力で申請したい!という方のために、申請マニュアル(外国人向けですが、日本人の方にもご参考いただけると思います)を販売しています。
オンライン申請はできたけど、サポートドキュメントの種類や作り方がわからない、という方にお勧めします。
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