2021年が終わろうとしています。今年はどんな年でしたでしょうか?

今年も一部の人を除き、海外渡航は自由にできませんでしたね。。

そんな、今となっては懐かしい海外渡航ですが、日本から転出するときに課される「出国税」のことはご存知でしょうか?

いわゆる「出国税」は2種類

一つは国際観光旅客税(1,000円)で、日本の空港を出発する際に国籍関係なく課されるもので、2019年1月7日~導入された制度です。

通常チケット代に含まれるため、納税している感覚はあまりなかったかもです。

もう一つが本記事の意図する方の「出国税」で、厳密には国外転出時課税制度のことを言います。

有価証券などの資産1億円以上を保有している人が、日本を転出して外国で長期滞在や移住をする場合に、出国時点で資産の含み益に課税されるというものです。

2020年に外国籍者に拡大

これは決して新しい制度ではなく、2015年~運用されています。

当時は「億り人」も含むお金持ちが、資産だけでなく自分自身も海外移住することで、所得税や住民税の対象外になることができました。

これに対し、海外転出時に保有資産の含み益があれば、申告して納税しなくてはならなくなったのです。

そして、2020年7月1日以降には、この出国税が身分系の外国人にも適用されるようになりました。

具体的には、日本人配偶者、永住者、永住者の配偶者などです。

今年、日本人と結婚している外国籍者からこの出国税のからみでご相談を受けました。

その方は、当時短期滞在で日本に来ていましたが、数年こちらで暮らすことにしたため、ビザを取得しようと思いました。

しかし、日本人配偶者の資格をとると、数年後に帰国する際に保有資産に課税されることを懸念し、何年かを就労資格で過ごすオプションを考えておられました。

なるほど富裕層の方にとっては、そういうマターになるのだなと感心した次第です。

課税される資産とは

出国時に課税されるのは、株式や社債、投資信託などの有価証券、未決済の信用取引、デリバティブ取引、だそうです。

FXの未決済ポジションの評価損益は、損益が確定していないので対象外です。

不動産や現金預金も含まれませんね。

猶予制度

それにしても、海外転出する富裕層全員が税金逃れ目的ではないですから、この制度は一方的でかなり酷いですよね。

しかしそこはさすがに日本の役所。

かなり面倒ではありますが、事前の届出や帰国後の更正の請求などにより、納付を猶予したり課税を取り消したりする道も残されています。

具体的には、出国前後に納税管理人を指定したり担保を差し入れたりするようですが、これらの手続がすべて自己申告なのが恐ろしいと思いました。

区役所などでの海外転出手続においては、出国時課税のことまでは確認してくれないです。

にもかかわらず、制度のことは知らなかった、では済まなそうですからね。

富裕層の方は税理士さんなどプロのサポートを受けて、少なくとも滞納や課徴金など課されないよう、対策されているとは思いますが。

まとめ

出国時課税制度以外にも、2019年には、海外移住者に対する贈与税や相続税の制度変更もあり、富裕層の海外へのお金の持ち出しはさらに厳しくなりました。

これまでタックスヘイブンと言われていた国々でも、最低税率の制定などが進められています。

富裕層の資金移動の道は狭められているように見えますが、次なる手段は何なのか、ヤジウマとしてはちょっと楽しみです。

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