行政書士を開業登録しようとすると、有資格者であること以外にいくつかの要件があります。
新人行政書士の事務所事情
行政書士法施行規則(第2条の14)には、下記の記載があります。
行政書士は、その事務所に行政書士の事務所であることを明らかにした表札を掲示しなければならない。
一軒家であろうと集合住宅やオフィスビルであろうと、行政書士会が認める「表札」が必要です。
今どき「表札?」
されどこの「表札」が、なかなかハードルが高いです。
シェアオフィスのようなところだと独自の「表札」を掲示できるところは少なく、賃貸マンションや事務所など、独自のスペースを借りるしかありません。
事務所経営がうまくいくかどうかは未知数ですから、最初から保証金や敷金などの費用がかさむのは避けたいですよね。
そこで、当初は自宅事務所で営業してみて、事業の見通しが立った時点で賃貸などの場所を借りる人も多いです。
当時「開業しても赤字にならなければいいや」という認識でしたから、私も自宅事務所一択でした。
合同スタイル
現在私がお世話になっている「横浜中央合同」には、行政書士が5名、行政書士兼弁理士が2名所属しています。
このように、異なる士業が一つの場所をシェアして営業する形態は「合同事務所」と言われます。
行政書士も弁理士も各自が独立していますが、事務所の場所をシェアしているので、賃料や設備にかかる経費を按分して運営できるところが、助かっています。
行政書士には自宅事務所の個人経営が多数で、この合同スタイルの事務所は、どうやら少数派らしいです。
合同事務所参加のきっかけ
当時、開業する前に修行させてもらえる事務所を模索したことは、以前の記事にも書かせていただきました。
そんなある日、今でもご一緒しているH行政書士から
「横山さん初めまして、私たちは合同事務所を運営しています。
近々新人さん向けの研修会をやるので、よかったら参加しませんか?」
という(趣旨の)メールが突然来たのです。
会ったことのない先輩からのお誘いに驚いたものの、当時の私は「くる話にはのってみる」と決めていました。
喜んで研修会に参加させてもらい、そのまま入所に至った次第です。
研修会に呼ばれた理由
それにしてもH行政書士は、どうして会ったこともない私にメールをくれたのでしょうか?
後日談によると、当時の合同事務所では、代表電話にかかってくる電話の応対をできる人を探していました。
※現在は登録している番号にて、各自が電話を受けています。
申請などで日中外出することも多く、事務所に誰もいなくなる時間帯が多々あったからです。
そこに支部のHPの「新人さんいらっしゃい」のコーナーで、「ホテル出身です」と言っている新人が目につきました。
「この人なら電話番してくれそう!」
と、メールしてくれたそうです。
プロフィールにホテル出身と書いていたのが良かったみたいです。
人生何がきっかけになるかわかりませんね。
まとめ
未経験から行政書士試験合格→先輩のアドバイス→支部長先生へご挨拶→合同事務所に入所という、わらしべ効果がもたらされたお話を6回にわけてさせていただきました。
わらしべ効果の原点が何だったかと言えば、やはり実務研修の受講だったかなと思います。
コロナ禍の今、私の10年前の経験には完全な再現性はないかもしれません。
それでも(行政書士に限らず)新しいことに挑戦される方はいらっしゃると思うので、「くる話にのってみる」ことはお勧めしたいです。
きっとプラスになる出会いがあることを、祈念しております。
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