マレーシアのMM2Hビザは、去年から新規受付がストップしていました。
この間当事務所にも、複数件の「申請したい」とのお問合せをいただきましたが、申請受付がされないことをご説明すると、一様に「知らなかった~」とがっかりされていたものです。
この10月に、申請受付が再開されることがマレーシアの新聞各紙にて報道されましたので、概要をお知らせします。
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資産や収入要件の高騰
ざっと拝見したところ、とにかくお金にかかわる条件が高騰した印象です。
月収…RM40,000以上(日本円104万円)
預けなくてはならない定期預金…RM100万以上(日本円2,600万円)
流動資産…RM150万以上(日本円3,900万円)
※1RM/円26円で計算
その他にも、パスフィーが年間RM90(1名)→RM500へ、申請手数料がRM5,000(メインの申請者)など、ビザの取得にかかる諸費用も無視できないレベルですね。
近隣国の存在
費用面だけでなく、規制も厳しくなった印象です。
これまで、ビザを取得しても出入国は自由で滞在義務など無かったのに、今後は年間90日以上の滞在が求められます。
MM2H保有者は、マレーシアの全人口(約3,200万人)の1%に上限が抑えられ、またこれまでは観光局での取扱いだったのが、今後は移民局で審査することになりました。
ただ、近隣のオーストラリア、シンガポールのビザ取得条件と比べると、MM2Hのハードルは低すぎる感もありました。
マレーシア政府としては、世界のお金持ちがオーストラリアやシンガポールに行ってしまうという焦りがあったのかもしれません。
今回の条件変更により、肩を並べたかったのでしょうか。
2002年に始まったMM2Hのプログラムは、2019年までにRM118.9億の経済利益をもたらしたそうです。
条件を上げることで、さらなる国益を見込んでいるのでしょうか。
どうする?日本の申請者
当事務所に申請サポートをご依頼くださるお客様の属性は、2つに大きく分けることができます。
1.すでにリタイヤ済み、あるいは近い将来リタイヤ予定のため、今のうちにMM2Hの資格をとっておくというアクティブシニア(50~70代)。
2.ご自身のキャリアアップや節税、お子さんをインターナショナルスクールに入学させるなどが目的の、良い意味でのグローバル派(20~40代)。
いずれも大富豪でリゾート生活というよりは、次の目標を考えたときに、日本よりもマレーシアにメリットを見出す計画性や堅実性がありました。
これらの層にとって、マレーシアのMM2Hはコスパが良かったのです。
ビザのハードルが上がることで、これまで日本の申請者のマジョリティを占めていたこれらの層は、マレーシア政府の思惑とは裏腹にマレーシア離れしそうに思います。
これらの方々が次にどこを選択するのか?
あるいはマレーシアは変わらぬ人気を保つのか?
引き続きフォローしていきたいと思います。
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