台湾は、その感染症対策の素晴らしさで、国際社会の尊敬を集めました。
水際では入国や渡航の制限はあったものの、都市封鎖無しで市民生活はほぼ通常どおり行われていました。
日本が緊急事態宣言のもとビジネスが停滞していた間も、台湾では普通に物事が運んでいたのです。
台湾の事実上の大使館である「台北駐日経済文化代表処」でも、日本のルールに合わせながら業務は粛々と進められていました。
他国では、本国に合わせて閉館した大使館もある中、さすがです。
横浜分処
そんな台湾の領事部に該当するのが、横浜分処(正確には台北駐日経済文化代表処横浜分処)です。
大使館にあたる代表処は東京ですが、他にも札幌や大阪、福岡、那覇にも分処があって、ビザ申請や文書証明などの領事業務を行います。
横浜分処の管轄は神奈川県と静岡県で、この地域に住所のある個人や法人は、横浜分処または東京の代表処でも対応してもらえます。
事例
文書証明とは、日本政府の発行する公文書(法人登記事項証明書や戸籍謄本など)や私文書(授権書や公文書の繁体字中国語訳など)を認証してもらうものです。
今回は、台北で代表者事務所を設立し社員様が赴任する予定の会社様からのご依頼で、いずれも神奈川県内にご住所があり、通常でしたらサクサクと進むはずのお手続きでした。
ところが、4月から緊急事態宣言が発せられたことから、社員様がそれぞれリモートワークをする中での準備となりました。
社長様をはじめ当事務所も入れると合計4箇所で書類を回すことになり、なかなかややこしかったです(笑)
本来会社にみなさまがいらっしゃれば一度で済むことも、間違いがあると作り直しや郵送のし直しになるので、ご案内と確認に神経を使いました。
それでもお客様の多大なご協力のもと、スムーズに事を運ぶことができました。
ダメだしされることもある
その上、恐いことに横浜分処で認証できる公文書は限られており、私が行ったときもお隣で、「こちらでは認証できません、東京に依頼してください」とお断りされている申請者もおられました。
公文書の認証では公印を見るため、その公印も横浜分処の管轄内で発行したものでないと認証できないのです。
お断りされた方は、持ち込んだ文書の発行機関が管轄外だったようです。
おまけ:台湾ならではの感染症対策
「来館時は必ずマスク着用」「手指消毒」など事前にお達しがあり、私もやや緊張して横浜分処へうかがいました。
しかし、職員さんはマスク着用でも通常どおりフレンドリーで、感染症対策にピリピリしているようには感じませんでした。
さりげなくWHO加入の意思表明が掲示してありましたが、先日の総会には、今回の感染症対策で一番成果を挙げたはずの台湾が招待されず、残念でした。
近いのに気軽に行かれなくなってしまった台湾に思いをはせながら、早く渡航できる日が来ることを祈っています。
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