行政書士の横山です。
おかげさまで2016年は、アメリカの納税者番号ITINについて、数多くの申請機会をいただきました。
分配金、パートナー収入、不動産賃貸収入など、ロイヤリティ以外の様々な収入項目を、調査や申請する経験ができました。
アメリカ不動産の売却や利息収入の二重課税防止、アメリカ居住親族からの受領財産など、アメリカを舞台にする収入には多くの種類があり、アメリカと日本の関係の深さにあらためて感心いたしました。
ITINのためのパスポート認証についてお知らせした過去の記事もご覧ください。↓
申請理由
日本に居住しながらITINを申請する方の多くは、二重課税を避けることが目的だと思います。
アメリカの税制では、発生する収入のうち30%にあたる金額が、源泉分としてアメリカ側に留保されます。
収入は日本でも通算して課税されますから、一件の収入に対して、アメリカと日本の両政府にダブって税金を払うことになってしまいます。面白く無いですよね。
アメリカ業者からの依頼
アメリカ側で源泉している業者(例えば不動産管理会社やECコマースの管理会社など)は、外国人の源泉税を預かっている立場です。
外国人にITINが無いと、この業者はいつまでたっても納税することができず、預かりっぱなしになってしまいます。
そしてある一定期間まで預かると、業者は法律上、納税しなくてはならないルールになっています。
このような理由で、アメリカの業者からITINを取得するよう、言ってくる場合もあります。
ソーシャルセキュリティナンバーとの違い
日本でも、マイナンバーを納税の時に使うようになりましたね。
アメリカではソーシャルセキュリティナンバー(Social Security Number, SSNとも言う)がアメリカ居住者に与えられ、納税以外にも身分を証明する番号として、様々な場面で使われます。
しかし外国籍の外国居住者にはSSNの取得資格がなく、別途納税のために使うITINを取得するよう、言われるわけです。
リジェクトされることも
ITINを与えるかどうかは、アメリカの税務署にあたるIRSで、個別に審査されます。
審査官によっては、先例と同様に申請してもリジェクトしてくる場合があることも、2016年には経験しました。
アメリカから日本に税金を還付するわけですから、一筋縄にはいかないのも理解しました。
リジェクトされても理由は教えてくれますので、指示に従って再申請します。
当事務所では、ITIN取得のご依頼にあたり、申請理由と添付する証明書類についてお客様におうかがいしております。
お気軽にご相談いただければと思います。