マレーシアのリタイヤメントビザ MM2H (Malaysia My 2nd Home )
自力で個人申請をするか、エージェント申請にするか?
迷うところではないでしょうか。
気になるのがエージェントの料金ですが、業者によってずいぶん違いがあり、安いところでもご夫婦で12万円くらいから、高いところではご家族何人でも(たとえ単身でも)20万円、30万円という 業者もあります。
その差は何なのか?
単純に言うと料金に含まれるサービス内容の違いです。
エージェントはどこまでやってくれるのかというところですね。
「エージェントに申請を頼む」というと、エージェントが全てをやってくれて料金も全て込みというのをイメージしがちですが、MM2H申請にかかる様々な要因から、実際はお客様ご本人に動いていただいたり、後から実費が発生する部分もあります。
私が認証業務を中心に個人申請のお手伝いをしていたところ、中には、エージェントからパスポートの認証は自分でやってくれと言われて…というお客様もいらっしゃいました。
そして昨年、ジョホールバル(JB)の日系会社でMM2H業務を担当し、似たような料金を提示していてもエージェントによってサービスの内容に違いがあることがわかりました。
この経験をふまえ、これから何回かに分けて個人申請とエージェント申請の違いに着目した私の見解をお知らせしたいと思います。
MM2H申請の流れは
申請→Approval letterの発行(仮承認)→スタンピング(ビザの本申請)
となります。
申請
①申請書類の準備
戸籍謄本や財産、収入の証明など個人情報にかかるため、お客様に手配していただく書類がほとんどで、申請書にもご本人やご家族の直筆のサインが必要です。
申請書類のフォーマットはウェブサイトからダウンロードできます。
必要書類のうち、無犯罪証明書は申請から発行まで1週間以上かかり、平日に2回、管轄の県警に行かなくてはなりません。
(神奈川県警での受け取り代行サービスはこちら)
これら書類集めのご負担は、エージェント申請でも個人申請でも同じです。
②書類の英訳
日本語を英訳するサービスはほとんどのエージェントが行っています。
しかし、英訳するページ数に上限を設定している業者もあり、財務資料の枚数が多い方は追加料金が発生する場合があります。
マレーシアで日本語→英語の翻訳ができる人は限られている一方、日本で日本語→英語の翻訳サービスはたくさんあるため、個人申請の方がご自身で手配することもできます。
英文の申請理由や履歴書を自力で準備する場合でも、個人のブログなどに文例が出ているので参考になるでしょう。
③マレーシアへの発送
準備した書類をマレーシアへ発送するにはEMS(国際郵便)を利用して2,000円前後かかり、直接MM2Hセンターに送ってもマレーシア内のエージェントに送っても料金は同じです。
マレーシアの郵便事情は東南アジアの他国に比べて劣ることはありませんが、個人申請でセンターへ送る場合は必ず、またエージェント宛に送る場合でもトラッキング番号を保存して郵便が着いたかどうかを確認しましょう。
日本国内に送付先のあるエージェントならこちらに送付すれば良いので、負担は少なくて済みますね。
④受理
MM2Hセンターで書類を受領すると、受付レターの形式でMM2Hプログラム参加のリファレンス番号が与えられます。
この番号があれば、MM2Hセンターのウェブサイトで審査のステイタスを確認できるようになります。
エージェントがセンターへ直接書類を持ち込めばその場でレターが入手できますが、個人申請の場合、「センターにて書類を受理→番号の発行→レターを発送」となるので、レターを受け取るタイミングに時差が(長いと1ヶ月以上)あります。
⑤審査
審査期間は3ヶ月~とされていますが、半年を過ぎることはまれで、何か問題が生じている可能性があるためセンターへ確認した方が良いです。
エージェント申請ならば問合せをしてもらえますが、個人申請の場合はご自分でセンターにメールや電話をしなくてはなりません。
基本的に審査は、個人申請でもエージェント申請でも平等に行われるため、個人申請が不利ということはありません。
何かあった場合にご自身で連絡する手間をどう考えるかの違いです。
昨年、KLのエージェントに申請依頼したけれど1年以上放置されていると、JBの会社にご相談下さったお客様がありました。
資格要件に問題は無かったので、改めて申請して2ヶ月ほどでApprovalが出ました。
KLでもJBでもエージェント申請ですが、何が原因で審査が止まっていたのかは結局わかりませんでした。
エージェントが介在すれば問題解決できるわけでもないのです。
このお客様はお忙しい方でしたが英語がご堪能だったので、もし個人申請していたらさっさとご自分でセンターに問合せ、解決していたかもしれません。
申請についてまとめ
①書類準備の煩雑さは、エージェントも個人も同じ
②エージェント申請は英訳料金込みだが、ページ数により追加請求されることもある
③書類をマレーシアに郵送する負担は、エージェントも個人も同じ
④MM2H番号の入手は、エージェント申請の方が早い
⑤審査に時間がかかった場合はエージェントが問合せをしてくれるが、それで問題解決するわけではない
Approval Letterの発行、スタンピングについては、次回に続きます。