日本経済新聞より引用

日本経済新聞より引用

 

神奈川県行政書士会薬事相談員の横山です。

医療機器と電気用品安全法の関係についての3回目は、ちょっと脱線しますが数年前に話題になったPSE問題からお知らせします。

2回目の記事はこちらです。↓

神奈川県行政書士会薬事相談員の横山です。 前回の続き、一般医療機器と電気用品安全法についてです。 前回の記事も合わせてお読みください。↓ 電気用品安全法 経済産業省が管轄の電気用品安全法(以下電安法)という法律があり、これは医療機器に限らず世の中に出回...続きを読む

 

PSE問題とは

日本の市場に出回る電気製品は、経済産業省が管轄の電気用品安全法(以下電安法)に適合しなくてはなりません。

この電安法は、2001年に旧法(電気用品取締法)から改正施行され、猶予期間が5年〜10年設けられていました。

新製品を製造、販売するメーカーには経産省から事前告知がありましたが、中古の電気製品を扱うリサイクルショップなどの販売事業者が、猶予期間が迫った2005年頃に

「中古の電気製品が販売できなくなる」

として、問題になりました。

 

当時は、

  • 規制製品は修理すらしてはいけない
  • お金のない無医村では、今後中古の医療機器を購入することができなくなる
  • 猶予期間の経過と同時に中古電気製品の在庫の価値がゼロになる

など、多くの思い込みから問題が複雑化され、事業者や有名人による電安法反対運動が起きたりしました。

その後2007年になって、経産省は法改正における対応のミスを認め、旧法に適合した中古製品は問題なく販売できることになったそうです。

 

電安法の対象と対象外

さて、電気を使う医療機器に戻ります。

前回前々回で、管理医療機器、高度管理医療機器は医薬品医療機器等法の審査を受けている製品において、電源をとるための汎用性のあるACアダプタについては、電安法の規制を受けなくてよくなったことをお知らせしました。

 

これに当てはまらない、一般医療機器のACアダプタは引き続き電安法の規制対象ですが、一般医療機器でも、例外的に対象外になるものもあります。

これは、製品の目的、使用状況、技術的な面など多方面から経産省が検討して、個別の判断で対象外とするものです。

 

その事例が経産省の電安法のサイトに列挙されているため、自社製品と類似する事例があれば、電安法の規制にかかるかどうかの参考になりますね。

この中で「医療用送気・送風装置」(電気用品名)というものがあり、専ら医療機関における医療行為に使用されることから電安法の非対象とされています。

 

一方、医療機器ではありませんが「理科実験用電源装置」は、電気に関する専門知識を有しない生徒が使用するもので、かつ汎用性を有していることから、電安法の対象となっています。

 

では、医療機関で医療行為に使用されるような、つまり医療や電気に専門知識を有する者が使用する製品なら非対象になるのかと思い、経産省担当者に聞いたところ、対象非対象の判断はそこまで単純ではない、と少々怒られました。

サイトの事例はすべて個別の判断の結果なので、自社製品の対象非対象を知りたかったら経産省に直接相談してほしいそうです。

 

経産省に言わせると

「世の中に出回っている99%の電気用品は、経産省に事前の相談なく開発され、販売されている」

とか。

これは、99%の電気用品が違法だという意味ではなく、電安法が安全確保を目的とし、取り締まりを目的としていないことを示しています。

 

医療機器の製造販売許可申請の現場においても、現在の電安法は、PSEマークがついていないから直ちに回収や販売停止という法律ではないと聞きます。

数年前のPSE問題の混乱からも、一義的に厳しい規制はしない方向なのかな。。。と個人的には思いました。

 

今後、電気用品にかかる一般医療機器の製品コンプライアンスが気になるときは

  1. 医薬品医療機器等法
  2. 電安法

の優先順位で検討し、電安法は経産省への個別の相談によって対象外になる可能性もある、というのが結論です。

 

とは言え、会社名と製品の詳細を開示して省庁に相談するのは、一般の企業様には抵抗があるかと思います。

白黒はっきりつけるのが必ずしも正しい経営判断ではありませんが、コンプライアンスは企業の使命でもあります。

 

クライアント様が安心して決断できるための材料を提供するのがコンサルティング業務なので、いつもながら大変勉強になり、良い経験をさせていただいた事例です。

 

最後までお読み頂きありがとうございました
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