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Philips usaより引用

 

神奈川県行政書士会薬事相談員の横山です。

最近は、駅や空港などの公共施設で、AED(自動体外式除細動器)が設置されているのをよく見かけます。

総務省も各自治体に対し、人の多く集まる場所や役所などにAEDを設置するよう呼びかけています。

日本では急病人が出た際に、一般の人がAEDを使って応急処置をすることができますが、アメリカでは今でも医療従事者しか使えないそうです。

通りがかりの一般人が急病人に対し、初めて使うAEDで救命処置をしたところで、どこまで効果があるか?という議論や、善意で救命処置をしても残念ながら亡くなったり、後遺症が残った場合の責任の所在など、AEDをめぐる法律上の問題は多いようです。

これらは別の機会にお知らせするとして、今回はAEDの貸与について、考えてみたいと思います。

 

AEDの貸与

医療機器のレンタルは、一般の方にはあまりピンとこないかもしれません。

しかし、機器によっては数千万円するものもあるため、医療機器の貸与業という業種があり、病院や検査施設が、CTやMRIなどをリースするケースが該当します。

ちなみに貸与とは、使用および収益したのちに、返却することを約して、あるものを受け取ることで効力が発生する、法律上の行為です。

AEDは高度管理医療機器、特定保守管理医療機器に分類されますので、貸与業を営むには、資格のある人を管理者に置くなどの、許可要件を満たす必要があります。

 

自販機とAED

最近、飲料などの自販機に、AEDが格納されていることがありますね。

この場合は、自販機に付随したAEDを、無償で貸与していることになるのですが、高度管理医療機器の貸与業を取得している自販機業者は、まだ少ないそうです。

貸与業をもたない業者からAED付きの自販機を借りても、借りる側に直ちにペナルティはありませんが、業者さんがAEDの管理責任について意識が低い可能性があるため、契約内容には注意しましょう。

 

AEDは誰のもの?

埼玉県薬務課では、AED1台を所有して、埼玉県内の個人や団体に貸し出しているそうです。

機器の管理(メンテナンス)は100%埼玉県で行い、依頼に応じて1日や2日などの短期間で貸しているため、貸与業にはあたりません。

ここで借りたAEDなら、万一の場合に作動しなかったり不具合があったりしても、埼玉県に管理責任があることが明確ですね。

埼玉県に限らず、駅や空港、道端の自販機など、一見公共の場に思える場所へのAEDの設置が増えてきました。

公共の場にあると、所有者を気にせず使える点は良いのですが、いざという時に不具合なく作動するよう、そもそも点検はしているのでしょうか?

この点検の義務は誰にあるのでしょうか?

 

設置者のメンテナンス

公民館や図書館など公共施設にあるAEDは、役所が管理しています。

しかし、マンションの共有部分や、法人の敷地内にレンタルのAEDがある場合、日々の適切な管理は設置者(AEDを置いている者)として行わなくてはなりません。

マンションなら管理組合が、会社さんなら総務課などの管理部門が担当になるでしょう。

えっ、レンタルなのに業者がメンテナンスしないの?という声が聞こえてきそうです。

これは貸す側と借りる側の契約内容にもよるのですが、現実的に考えて、レンタル業者が毎日チェックしに来るよりも、設置者側が日々点検する方が合理的です。

そのためレンタル時に、AEDの日常点検は、いつ、誰が、何をします、という契約をきちんとしましょう。

所有権はなくとも設置施設の管理責任は、契約内容に応じてかかってきます。

例えば、AEDの不具合やバッテリー切れがあり、助かる命が助からなかったとして、患者側に訴えられる可能性も考えられますよね。

AEDを設置するにも、十分な配慮と心構えが必要な時代になっています。

 

最後までお読み頂きありがとうございました
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