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東南アジア展開支援アドバイザーの横山です。

日本で製造した化粧品を、中国へ輸出する場合の製造者、輸出者、中国会社の三社での契約書作成についての3回目です(→1回目2回目)。

 

日本でも同様ですが、輸入化粧品を中国で販売するには許認可が必要。

許認可を取得するには、製品に関する情報を中国政府に開示しなくてはならないため、情報の取り扱いに関して中国会社との信頼関係がないと難しいですね。

 

秘密保持条項

業務委託契約書を結ぶ場合は、秘密保持条項を設けます。

日本の会社同士だったら「業務上知り得た秘密は漏洩してはならない」程度の表現が一般的ですが、相手が海外の会社となると注意が必要。

安いコピー商品や外観そっくりな粗悪品が出回っては、ブランドに傷がつきます。

 

とは言え、契約書が厚くなりすぎるのも現実的ではないため、最小限の表現で三社が納得できるよう工夫します。

今回は、「従業員にも秘密保持の指導教育をしなければならない」内容の文言を入れて、特に中国側の従業員による情報の持ち出しを事前防止できるようにしました。

 

商標の取得

製品の商標権は、国際出願した場合を除き、基本的にその国内のみで通用する権利です。

今回の製品の中国内での商標は、中国会社が取得したのですが、商品の権利はもともと日本の製造会社のものです。

そのため契約書には、本契約終了後は商標権を日本の製造者に返還する文言を入れました。

 

また、中国内の商標取得によって、現地の個人や法人だけでなく、契約当事者である他の二社の権利も侵害してはならないことも加えました。

日本人同士なら「言われなくてもわかってる」内容でも、海外相手の場合は盛り込んでおく方が安心です。

 

不可抗力

 

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もう1点、海外との契約書で特徴的なのは不可抗力に関する条項です。

これは、契約債務の不履行があっても、不可抗力による場合は免責できるという考え方によります。

こちらも日本人同士なら暗黙の了解ができることも、列挙します。

 

具体的には

洪水、高波、落雷、その他の伝染病のような天変地異によるもの、戦争、戦争類似状態、暴動、もしくは革命のような公衆社会への敵対行為によるもの、会社の制御不能な事態によるもの、その他、火災、爆発、事故、難破、封鎖、騒乱、ストライキ、ロックアウトもしくは他の労働争議、日本製品のボイコット、商品の製造者あるいは供給者の破産もしくは支払不能、エネルギー供給もしくは原材料の不足または制限、輸送施設の使用不能、港湾渋滞のような不慮の災難、および検疫のための隔離、通商禁止措置、戦時動員、徴発、輸出禁止、輸出許可書発行拒絶あるいは他の法令上管理上もしくは行政上の制限のような法律、規則、命令または行政機関の指導による制限を含むがそれらに限らない不可避な事態(会社、その代理人、運送業者、会社への本件商品の供給者、本件商品の製造者、もしくは当該製造者に対する原材料供給者に影響を与える事態)。

 

そこまで並べなくても…といわれそうですが、対中国の場合は日本バッシングもあり得ますし、何が起こるかどこに抜け道があるか心配ですからね。

 

契約書作成は予防法務の最たるもの。

契約書にうたうことで、問題の発生を防ぐとともに、起こってしまった問題の解決をしやすくします。

今後も、さまざまな契約事例についてご紹介していきたいと思います。

 

最後までお読み頂きありがとうございました
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